「もう。唯ちゃん、いちいち可愛いんだから」




そう言って、蒼はあたしの手をさらにぎゅっと握りしめる。

握られた部分から身体が熱くなり、甘い幸せに酔った。




「それに、今日は唯ちゃんにいいところ見せようと思ったのに、散々だった」




あははっと笑う蒼。




「何だか悔しいな。

上手く出来ないって」





プロの四人でも上手くいかない。

それだけ優弥さんの曲が難しくて、みんなは血の滲むような努力をしているんだね。

改めて凄いと思う。