結局、慎吾の探し物は見つかったみたいだった。

クリアファイルに入れられたそれを、慎吾は大切そうに持っていた。





「今日は災難だった。

これを返してもらうだけのはずだったのに、蒼のライブにまで付き合って」




そう言う慎吾に、




「ごめん」




思わず謝ってしまう。



慎吾をライブに付き合わせたのは、他ならぬあたしだから。

慎吾のプライベートも忙しいはずなのに、付き合ってくれた慎吾に感謝だ。





「ううん、久しぶりにライブに行けて楽しかった」




慎吾は笑ってあたしを見る。

酙は決して見せない、素敵な笑顔だった。




「それに、久しぶりに楽しそうな蒼を見れた。

何だか懐かしかったよ」



「俺も」




蒼は慎吾と似た笑顔を作る。




「また、隠れてやろうか。

太ったおっさん」




その提案に、慎吾は笑顔で頷いていた。