人々があたしたちを見て、驚きの声をあげた。

文学部中の噂だった。

だけど、蒼は全く気にしない。

あたしの手をぎゅっと握りしめ、にこにこ笑って歩く。






「ごめんね、唯ちゃん。

もう悲しい思いさせないからさぁ」




優しい蒼を見て、




「ふっ……蒼の馬鹿ぁ!!」




あたしは泣き笑いをしていた。






どんなに手が届かなくても、あたしは蒼が好き。

あたしはやっぱり、蒼から離れられない。




蒼……



蒼のこと、信じてもいいよね?




あたしは、これからも蒼に狂わされる。