緑の風と小さな光 第1部

そこにセレが来た。

「彼は獣人だ。」

「獣人?エルグと同じか。」

「! エルグを知っているのか?」

「よーく知ってるよ。竜の件が済んだら次はそいつだ。」

「お前は一体?」

「言っただろ。狩人で魔法商さ。良い商品を仕入れなきゃ良い商売はできないからな。

エルグも商品だったのさ。だが、それよりも今は竜だ。最高の商品だからな。何としても手に入れる!」

ウォールはジンの腕を掴んだ。

「来い!」

「やめろ!」

セレはウォールの手首を締め上げた。

「痛っ!この野郎!」

セレの服に火がついた。

ウォールの火の魔法だ。瞬時に物質の温度を上げて炎を生み出す。

セレも火の魔法が使えない訳ではない。逆の作用の魔法で打ち消した。

その隙にウォールは大地の魔法でエルグとジンの動きを封じた。

「うっ!?」

「動けない!?」

セレはそれも打ち消した。

「貴様『火』も『大地』も使うのか。」

ウォールは、面倒臭いな、という顔をした。

「ジン、エルグ、逃げろ。何処へでもいい。」

セレが言った。

「セレは?」

「奴を足止めする。早く行け!」

珍しく強い口調だった。