「お願いします、お願いします……」



胸の前に手を合わせて、同じ言葉を呪文のように繰り返す。



「…怖いよ?」



沙耶ねぇにそんなことを突っ込まれるけれど、今はそれどころじゃありません!!



ついこの前、テストが終わったばかり。



そしてついに今日、そのテストが返却されるのです!



今回のテストは、大好きな桐生くんとのデートがかかっているから、どうしても点数は落とせない。



「デートに行きたいのはわかるけどさー、もう結果は出てるんだから」



それはわかっているんだけど……



祈らずにはいられないんです。