「そういえば桐生くん」 「何、沢城さん」 ずっと気になっていたこと。 今なら聞かせてくれるかな。 「桐生くんの将来の夢って何?」 お医者さんではない別の道。 「俺さ、人に勉強教えんのが好きなんだ」 そっか… もしかしたら、私が数学の課題を出されてしまったあの日、面倒くさがりながらも私にわかりやすく教えてくれた。 これが理由で… 教えるのが好きだから、私に教えてくれたのかな。