「その儀式は、何ていうかな、とても神聖なもので、星使いしか参加できねぇんだ。王族だろうが何だろうが関係ない」


5歳になった星使い一族の者は、正式に星々との契約を結ぶ儀式があると聞く。

その儀式を行うことで、正式な星使いと認められ、それ以降は星の魔法しか使えなくなるそうだ。

それまでは普通の魔法使いと同じ魔法も使えるらしいが、純血であり大きな魔力を持つ雅人は、元々星の魔法しか使えないんだって。

気になっていた事実が次々と判明していく。真実は何と単純なんだろう。


「そういうわけで、あんな会話になっちゃったってわけ。納得した?」

あたしは答えなかった。

だって、


「まだ、一つ残ってるわ…」


一番大事な問題が、残ってる。



「あたしのこと、好きじゃないって言ったのは、どういうことなの…?」


『美玲のことは好きじゃねーよ』

雅人は確かにそう言った。それは紛れもない事実。


本当は嫌いなの?

ねぇ、雅人の本当の気持ちが分からないの。


「…それ聞くか?」


照れたようにポリポリと頬をかく雅人。

そんな姿さえ絵になるのだからムカつくわよね。