ド天然!?魔女っ子の秘密【side story】

「雅人はあたしのことなんて、好きじゃないのに…っ!それなのに、どうして…っ」

あたしは柄にもなく、人前で涙を流しながら問うた。

「…まさか、教室で俺が話してたのを聞いたのか…?」

雅人はハッと目を見開いた。

「女の子と泊りがけで出かける彼氏のことなんて知らないわよ…っ」

目を逸らした。

視界が直ぐに滲んでしまうから。


「…なんだ、そいうことか…」

ハー、と溜息をつく雅人に腹が立つ。

溜息つきたいのはこっちよ。

浮気されて、嫌われて。

気分なんてドン底よ。


「お前、どこまで話を聞いてたんだ?」


…本当に馬鹿ね。

人が一番言いたくないことを聞くんだもの。

人のことなんて何も考えていないのね。


「…女の子と泊りがけで出かけるってところから…あたしのこと好きじゃないってとこまで…」

「そこまで?」

「…だったら何よ…」

しかし奴は、ふーん、と一人で納得しただけだった。

「…で、俺がお前のことが好きじゃなくて、浮気してると思ったわけ?」


素直に頷くのは癪に障るので、黙っていることにした。

拗ねるなんていつぶりだろう。子供ね、あたしも。

しかし、次の奴の言葉はあたしに衝撃をもたらした。