「ご、ごめん美玲!すっかり話してしまっていて…」

「そんなにあたしと一緒にいたくないのね?」

美玲…怒ってる…

確実に!かなり!怒ってる!


「いや、違…」

「もういい!雅人なんて大嫌い!」


プイっと顔を横に振ってそのまま教室を後にしてしまった。

そこに残されたのは、俺と翔太だけ。


しかし、


大嫌い…大嫌い…


美玲の言葉が頭の中でこだまする。


すごく怒らせてしまった…

どうすればいいんだろう?

せっかく久しぶりに一緒に帰れる日だったのに…


どうするべきか相談に乗ってもらおうと翔太の方を見ると、


「雅人…ご愁傷様」


哀れそうな顔をしてそれだけ言うと、教室を後にした。


残されたのは、俺だけ。






「嘘だあああーーーー!」






俺の悲痛な叫び声は、誰の耳にも届くことはなかった。





               fin.