「由良とどう接していいか分からないから、俺たちの話を参考にしたいんだろ?」

俺がニヤっと聞くと、翔太は顔を真っ赤にした。


「な!そんな、違!」

「あーはいはい。嘘つかなくていいからねー」

「嘘ついてない!」


…これってもしかして、俺の方が立場が上なんじゃねーの?そんなの今まで一度もなかった。


「嘘つくことないですよ翔太くーん」

「だから、嘘ついてなんか…」

「はいはい、俺は由良が大好きですと。分かってますよー」

言っちゃ悪いがバレバレだ。誰だって分かるだろう。

他の女の子たちも分かってるから、翔太に告白する女子の数は減少傾向にある。どうやら見守っているようだ。良いファン達を持ったな翔太!


翔太をからかっていると、次第に翔太のオーラが黒くなってきたのに気付いた。

「おい雅人、それ以上言うと…」

やばい。これ以上怒らしたら、凍らされてしまう!

「あー分かった、俺が悪かった!だから勘弁!」


俺が手を合わせて謝ると、翔太は「だったら最初っから俺をからかうな!」と呆れるように怒った。


「で、教えてくれよ。お前たちの話」

「分かった。たしかあれは…」




そうして俺の昔ばなしが始まった。