しかしあの由良が、あのど天然無自覚鈍感娘が、まさか恋をしていて、その相手が俺だった、なんて。

そんなの、奇跡だと思う。


でも由良が俺のクラスに編入してきて、

俺たちが結ばれることが予め決まっていたというのなら、


それが必然だというのなら、


俺たちは運命で結ばれているんだと思ってこの先生きていく。





それに、どういう因果であれ、由良に会えたのだから、

それが奇跡でも、運命でも、

幸せであることには違いない。



そんな俺を見て由良はふわりと微笑んだ。


あーだからもう、その笑顔が堪らなく好きなんですけど。だけどそんな俺のことなんて全く気づいてませんよね?あのど天然無自覚鈍感娘のことだしな。


「あたし、翔太の隣から離れる気なんてないからね!離れろって言われても、ぜーったいに離れてやんないんだからね!」


大きな声で宣言する由良に、俺は不敵に微笑んだ。

「俺だって離す気ないから」


こんなに愛しい彼女を誰が離すかよ。