「…えーっと?」
七星は逃げるように北斗の方を見た。
「由良姐、知らなくていい」
北斗は、少し残念そうで、でも嬉しくて、安心したような、そんな複雑な笑みを浮かべた。
儚さが漂うその姿は、本当に、絵画と錯覚しそうなほど美しかった。
北斗が何を話していたのか知りたい気持ちもあるけれど、北斗が知らなくていいと言うなら、それでいい。
あたしが知らない方が、きっと北斗が喜んでくれる。
「そっか」
あたしが微笑むと、雅人と七星は苦笑いした。
「…本当に由良って」
「…天然ね」
どうしたんだろうと不思議に思って見ていると、由良姐、と呼ぶ北斗の声が聞こえた。
「僕たち、絶対、行く」
あのね、とあたしは話しかけた。
「気持ちは嬉しいよ。でもね、行くのはやめてほしいっていうのが本音だな」
こんな若いのに、危険な目になんて合わせたくはない。
それに彼等は"ガーネット"の隊員である前に、雅人と美玲の大切な子供達だから。
「…僕達、弱いから?」
「え?」
「僕達、弱いから、行かせたくない? 心配になる?」
「そ、そんなことはないよ!」
むしろ強すぎるくらいなのに。
雅人と美玲の血を引く彼らは、親譲りの強く大きな魔力を有していて、戦闘センスだって並みじゃない。
七星は美玲の形質を多く引き継いでいて、星使いではないけれど、その美しさは群を抜いている。
まるで美玲が高校生だった頃のように美しいんだ。
けれどポニーテールのその髪だけは、父親譲りのオレンジがかったキャラメル色なんだけど。
北斗も七星、雅人と同じ髪色なんだ。ただ、双子とはいえ、七星とは違い、北斗は癖毛なんだけどね。
北斗は雅人の形質を多く引き継ぎ、星使いの力も引き継いだ。
半血の星使いは純血の星使いに劣ると言われている。しかし北斗は純血の星使いではないものの、彼は強い。
星使いの中でも、雅人に次いで強いらしい。いつか雅人が誇らしそうにそう語っていた。
おまけに2人は息の合った攻撃をする。
この2人ほど強いペアを、あたしは知らない。
七星は逃げるように北斗の方を見た。
「由良姐、知らなくていい」
北斗は、少し残念そうで、でも嬉しくて、安心したような、そんな複雑な笑みを浮かべた。
儚さが漂うその姿は、本当に、絵画と錯覚しそうなほど美しかった。
北斗が何を話していたのか知りたい気持ちもあるけれど、北斗が知らなくていいと言うなら、それでいい。
あたしが知らない方が、きっと北斗が喜んでくれる。
「そっか」
あたしが微笑むと、雅人と七星は苦笑いした。
「…本当に由良って」
「…天然ね」
どうしたんだろうと不思議に思って見ていると、由良姐、と呼ぶ北斗の声が聞こえた。
「僕たち、絶対、行く」
あのね、とあたしは話しかけた。
「気持ちは嬉しいよ。でもね、行くのはやめてほしいっていうのが本音だな」
こんな若いのに、危険な目になんて合わせたくはない。
それに彼等は"ガーネット"の隊員である前に、雅人と美玲の大切な子供達だから。
「…僕達、弱いから?」
「え?」
「僕達、弱いから、行かせたくない? 心配になる?」
「そ、そんなことはないよ!」
むしろ強すぎるくらいなのに。
雅人と美玲の血を引く彼らは、親譲りの強く大きな魔力を有していて、戦闘センスだって並みじゃない。
七星は美玲の形質を多く引き継いでいて、星使いではないけれど、その美しさは群を抜いている。
まるで美玲が高校生だった頃のように美しいんだ。
けれどポニーテールのその髪だけは、父親譲りのオレンジがかったキャラメル色なんだけど。
北斗も七星、雅人と同じ髪色なんだ。ただ、双子とはいえ、七星とは違い、北斗は癖毛なんだけどね。
北斗は雅人の形質を多く引き継ぎ、星使いの力も引き継いだ。
半血の星使いは純血の星使いに劣ると言われている。しかし北斗は純血の星使いではないものの、彼は強い。
星使いの中でも、雅人に次いで強いらしい。いつか雅人が誇らしそうにそう語っていた。
おまけに2人は息の合った攻撃をする。
この2人ほど強いペアを、あたしは知らない。


