これからも、ずっと好きだよ。

だから、お願い。


「あたしを、離さないで」


どんなことがあっても。

あたしは翔太の隣にいたいよ。

翔太と再会したあの日から、ずっと、あたしの居場所は、翔太の隣だから。


「離す気なんてない。フラフラと勝手に迷子になるなよ」

ニッと笑った翔太に、あたしも笑いかける。

「じゃあ、迷子になったら探し出して、迎えに来てね」

「当たり前。どこまでだって探して、必ず見つけ出す」

そのまま翔太があたしを引き寄せた。

あの頃よりずっと、大きくなった背中。


「愛してる」


翔太の二度目のその言葉は、胸にすっと染み込んで、あたしの心に届く。


再会した、あの日を思い出す。


最初は仏頂面で不愛想な人だと思った。

けれど、接していくうちに、優しい人なんだと知った。

それから、たくさんのものをもらったね。

沢山の光をくれて、異常なあたしを受け止めてくれて、あたしを孤独から連れ出してくれた。

翔太に再会した日からいろんなことがあって、一緒に過ごすうちにいろんな感情を知って、嫌なことも、辛いことも、たくさんあったよ。

でもね、今思えば全てが宝物なんだ。

学園に通ってたころのあたしはきっと、どの場面でも笑っていたの。

悲しいこと、辛いことがあっても、きっとそれを乗り越えた後は、必ず笑っていたの。

翔太に会えてから、あたしは幸せだったんだ。


そしてこれからも、この幸せは続いていく。

翔太が隣にいてくれるなら、笑ってくれるなら、それだけであたしは幸せだから。


だから、あたしは祈るよ。


明日も翔太が笑っていますように。

この暖かい幸せが、
いつまでも続きますように。



                     fin.