ある日の、テスト終わり___



「あー、ようやくテストが終わったな!」

腕を組んで伸びをする雅人。

「そうだね」

あたしもあくびを一つして返した。眠たい。

「って言っても、雅人は占い学のテスト中爆睡だったな」

本当に馬鹿だな、と溜息をつく翔太に、うるさい、と雅人は怒った。

「欠点とっても知らないわよ?」

「俺は解き終わってから寝てんの! だから欠点なんて取らねぇの!」

「知らないわよ。占い学の加賀美先生の追試なんて恐怖しかないって有名なんだから」

そう言うと雅人は少し青ざめたようだった。

「だ、大丈夫だっつーの! な、なぁ、由良!」

「ふぇ?」

いきなり話を振られたので驚いてしまった。

「そう言えばお前も寝てたな」

翔太が横目であたしを見た。

「だって、すぐ終わっちゃったんだもん」

ふわ、とまたあくびをした。

するとなぜか他の3人の動きが一瞬ピタリと固まった。

首を傾げていると、3人はボソボソとしゃべりだした。

「…あのテストがすぐ終わっちゃった、なんてのは由良くらいだよな」

「…すぐに終わるわけないもの、あのテスト」

「…あぁ。あのテストは加賀美先生の自信作って言ってたもんな」

「…難しいのができたって、先生ウキウキしてたものね」


3人とも頷き合っているけど、あまりにも小さな声で話しているのであたしには聞き取れなかった。

「どうしたの? 何の話?」

すると3人ともピキっと固まった。まるで凍り付いたように。

「あれ? なんで固まってるの?」

ねぇ、と話しかけても返答はない。

おかしいな、と首を傾げていると、ようやく動き出した。