「さあ、何のことだ」

俺がしらばっくれると、

「おいおい、誤魔化すなよなー?」

更に図に乗る雅人。

まぁ、大体分かっているけれど、それを今のコイツに答えるのは何だか癪に障る。

そんな思いを秘め、雅人に視線を送った。

「…!すいませんでした!」

顔を青ざめガバっと頭を下げた雅人。やっぱりこいつには睨むのが一番効くらしい。

「くだらないことを考えるのはやめろよな」

はぁ、と溜息を吐くと、

「じゃあ、俺がせっかく仕入れた情報知らなくてもいいのか?」

ニヤリ、と笑った。

「何の情報だ」

別に興味もないけれど、と目を逸らしたまま答える。

どうせ雅人のことだ、大した情報なんてないのだろう。一応乗ったふりをしてみる。

「何だよ、興味なさそうだな!それならいいよ、言わないから!後悔しても知らねーんだからな!」

なんだか胡散臭い顔をしている雅人。

なんだ、その何かを企んでいるような顔は。

「じゃあ聞かない」

俺が溜息と共に答えると、

「ふーん、あっそ。由良の情報だったのにな」

そう言ってニヤニヤと俺を見た。


あぁ、そういうことか。それでこいつはこんな顔を。


「お前は言わなくたっていいんだろ?だったら俺は聞かない」

「え、本当に聞かないのかよ!?」

今度は焦ったような顔をする雅人。

「なんだ、俺に言いたいのか?」

「そう言うわけじゃないけど」

お前は聞きたくないのか?

そう問われた。