「えっ…?」



いつもはほんのりと香るものも、直には嗅いだことのなかった香りが私の身体を包んでいて。


泰秀の着ているシャツのボタンが目の前にある。
泰秀の首筋が私のおでこにくっついている。



今は何が起こってるの?




「今の本当?」

「えっ…?」

「エイプリルフールじゃない?」

「泰秀…?」




「小春が俺のこと好きなのって、本当なの?」





よくわからない。


なんで私が泰秀に抱きしめらてるのかわからないし、なんで泰秀の声が嬉しそうに上ずってるのかわからない。



わからないけど、私が泰秀のことを好きなのは本当だから、泰秀の腕の中で首を上下にブンブンと振ってみる。





「嘘みたいだ。」