ブランコが、キィィンって音を立てながら止まった。

泰秀の手首を掴んで、泰秀は私に引っ張られるようにブランコから降りて。




私たち2人は、向かい合わせになる。



泰秀の目線、やっぱり私より大っきい。こんな風に向き合うのは初めてかも知れないな。


…なぁんて思いながら、泰秀の目をしっかりと捉えてみた。




今日は4月1日。




エイプリルフール。





「私、ずっと泰秀のことが好きなんだ。」




ーーとてもズルい、告白だった。



泰秀のことが好きで大好きで、このまま会えなくなってしまうのが嫌で。
理由がなくたって、遊ぶ計画を立てなくったって、「会いたい」という理由で会える関係になりたかった。



だって今日はエイプリルフールだから。
何もしないまま終わるのは嫌だけど、今の関係が壊れてしまうのは怖かったから。



今日なら「嘘だよ。エイプリルフールだよ。」って言えば、誤魔化せる。