その内容は私の耳にも入ってきた。 「え~てかなんでここ来たの?」 「もっと遠く行けば噂もなかったのにね 入学式そうそう目立ってんじゃん」 さらに広がっていく話声。 それは当然、田辺くんにも聞こえていて 彼は青ざめた顔をしていた。 「田辺……満です」 声が震えてる。 悪い噂をする周りの中で自己紹介をするなんて これ以上に酷なことはない。 だからと言って、私が何かを言ったところで それがヒートアップしてしまうかもしれないし どうしよう。 私が焦っていると