見えねぇよ。

何にも、今の俺には何も見えねぇ。


この高校生活もそうなんだって

もう俺が明るい場所に行くのは無理なんだって

入学式の日に悟ってしまってから


希望なんで探すことさえやめてしまった。


ウワサが聞こえる。

中学を卒業する前に、感じたあの雰囲気と同じ。


俺を白い目で見てこそこそと何かを話したり

近くを通るとさっと避ける


あの雰囲気と全く同じだった。


ああ、そうか。

俺はもうこれからずっと下を向いて、

暗い中過ごして行くんだ


そう思った時だった。


パコンーー

誰かが俺の頭をはたき顔を上げさせた。