それでも断ったのは あいつには幸せになってほしいから。 「やっぱさ、男ってカッコつけたいもんじゃん? 常に、好きな女の前ではカッコイイ自分でいてぇじゃん?」 ほら、今の言葉カッコよくね? 沙良に聞かせてやりてぇな。 「これだけお前に託してもいいか?」 自分では渡せない。 つーかこうやって寝込んでる時点で 全然カッコついてねぇ。 だけど…… これは俺の本当の気持ち。 「気付いた時だけ。渡してほしい 気付かなかったら捨てていい」 これがたぶん、最後のイタズラになるだろう。