『…うそ。』
私のパンチは止められていた。
彼の右手によって。
『おっと、危ねぇじゃねーか。』
…止められた?
私のパンチを?
…ありえない、ありえないっ!
私は悔しくなって、あいつに連続でしかけた。
しかし、全てかすれもしない。
…っ、当たれよっ!!
『…バカか。お前は。』
ふいに青年が言った。
『そんな怒りまかせでやっても、当たらねーよ。』
『…なっ。』
『パンチっていうもんはなぁ、…。』
ーシュッ
私の顔のすぐ横にあいつの拳があった。
…いつの間に⁈
『こーやるんだよ。分かったか、ガキ。』
…何者だ、こいつは。
こいつの拳の動きが見えなかった。
ここら一帯で最強と言われた〝龍華〟が。
…私は、総長をやめて正解だったかもしれない。
もし、こいつみたいな奴が襲ってきたら、みんなを守る自身が…ない。
…情けないよ。
情けない…。
鼻がツンとする。
ヤバイ、泣きそうだ。
…泣くな。
花っ、泣いちゃダメだ!
感情に出したら、ダメ。
そう思いながら、ソファに座り直し、泣くのを我慢した。

