――結局、京子から特に大きな助言は得られないまま、今日の学校生活は終わった。
でも、京子に相談してみて、ちょっと気分が軽くなったかもしれない。
相談は無駄じゃなかった、っていうことでいいよね!
鞄を持って京子と一緒に校門をでると、そこにはやっぱり、自前の赤い車の運転席に乗っている春人がいた。
初めて春人が学校から家に送ってくれた日から、学校がある日には必ず、春人は車で送り迎えをしてくれる。
帰りはいつも、京子も一緒に乗せてもらっていたので、今回も一緒に乗せてもらって帰れるのだろうと思っていたのだけれど……。
「んじゃ、桃花。グッジョブ!」
にこっと笑った京子は、私の背中を押した。
「えっ?!」
「今日は私、ひとりで帰りたい気分なので、おふたりさん、ごゆっくり~」
ひらひらと手を振りながら、京子は帰るために歩き出してしまった。
――って、ええ?!
これはもしかして、早めに決着をつけちゃいなさいっていう京子からのエールなのか……な?
わざわざひとりで帰りたい気分とか嘘をついてまで……。
うう……京子、ありがとう!
ムスッと怒っているような顔を作り、あからさまに“春人のことは嫌いよ”なオーラを放ちながら、春人の乗っている車に近付いた。
そして無言で扉を開け、助手席に乗ってシートベルトをしめる。
つらいけど、もうちょっとだけこの“嫌われる女”を演じてみよう……。
でも、京子に相談してみて、ちょっと気分が軽くなったかもしれない。
相談は無駄じゃなかった、っていうことでいいよね!
鞄を持って京子と一緒に校門をでると、そこにはやっぱり、自前の赤い車の運転席に乗っている春人がいた。
初めて春人が学校から家に送ってくれた日から、学校がある日には必ず、春人は車で送り迎えをしてくれる。
帰りはいつも、京子も一緒に乗せてもらっていたので、今回も一緒に乗せてもらって帰れるのだろうと思っていたのだけれど……。
「んじゃ、桃花。グッジョブ!」
にこっと笑った京子は、私の背中を押した。
「えっ?!」
「今日は私、ひとりで帰りたい気分なので、おふたりさん、ごゆっくり~」
ひらひらと手を振りながら、京子は帰るために歩き出してしまった。
――って、ええ?!
これはもしかして、早めに決着をつけちゃいなさいっていう京子からのエールなのか……な?
わざわざひとりで帰りたい気分とか嘘をついてまで……。
うう……京子、ありがとう!
ムスッと怒っているような顔を作り、あからさまに“春人のことは嫌いよ”なオーラを放ちながら、春人の乗っている車に近付いた。
そして無言で扉を開け、助手席に乗ってシートベルトをしめる。
つらいけど、もうちょっとだけこの“嫌われる女”を演じてみよう……。



