桃の花を溺れるほどに愛してる

 なるほど、身につけない時はこの袋の中にある入れ物に入れて、なくさないように保存しておけってことね。

 あっ、なんか紙も入っている。……っ!これ、宝石鑑定書だ!すごい!本物だっていう証拠のヤツじゃん!


「では、早速身につけましょう?桃花さん」

「うんっ」


 私は嬉しくて、すかさず右手を差し出し、春人にモルガナイトのブレスレットをつけてもらった。

 わー!やっぱりかわいいなぁ、このブレスレット!値段も張るし、もう手に入れられないと思っていたのに……。


「春人!ありがとう!」


 私は買ってもらえたことが本物に嬉しくて、春人に心の底からのお礼の言葉を口にした。

 それに対して春人はにこやかと微笑むだけだったが、春人は私の嬉しそうな顔を見て満足しているのだろう。


「ありがとうございました~」


 店員さんに見送られ、アクセサリーショップを後にした私達は、再び車の中に乗り込んだ。

 私はモルガナイトのブレスレットが嬉しすぎて、先程から色んな角度からブレスレットを眺めては頬を緩ませていた。


「ふふ。桃花さんの笑顔、素敵です」

「ふぇ?!いきなり何を……」

「素敵だから素敵だと言ったまでですよっ」


 春人はいつの間にかご機嫌になったらしく、嬉しそうに微笑んでは運転を開始した。