「でも、少し来るのが遅かったような……?」
「え!あっ、ああ!途中で忘れ物したことに気が付いて、それで……っ」
「……桃花さん。恐縮ながら聞きますが、僕には言えないことですか?」
うっ……。これが私のことを数年も盗撮していた成果か!私が嘘をついているのかついていないのか、表情や動作ですべてお見通しってかっ!
「ごっ、ごめん……なさい」
申し訳なくなって顔を俯かせると、春人は慌てた様子で言った。
「決して桃花さんを責めているわけではないんですよっ!言えないのなら言わなくてもいいですしっ」
言えない……よなぁ。榊先輩のあとをつけて、様子を探っていましたー、なんて。
榊先輩に関わるなと言われた辺り、言ったらどうなることやら。
春人のことだから怒りはしないだろうけど、また嫉妬をしたり自分を責めたりしちゃうのかな……。
それだったら口が裂けても言えないよ……。
「間違っていたらすみません。もしかして……榊先輩のところに行っていたんですか?」
「!」
「違う」って言ったらまた嘘をつくことになるし、かといって、「そうだ」なんて言えない。
どうしたらいいのかと頭の中でグルグルと悩んでいたら、春人は言った。
「え!あっ、ああ!途中で忘れ物したことに気が付いて、それで……っ」
「……桃花さん。恐縮ながら聞きますが、僕には言えないことですか?」
うっ……。これが私のことを数年も盗撮していた成果か!私が嘘をついているのかついていないのか、表情や動作ですべてお見通しってかっ!
「ごっ、ごめん……なさい」
申し訳なくなって顔を俯かせると、春人は慌てた様子で言った。
「決して桃花さんを責めているわけではないんですよっ!言えないのなら言わなくてもいいですしっ」
言えない……よなぁ。榊先輩のあとをつけて、様子を探っていましたー、なんて。
榊先輩に関わるなと言われた辺り、言ったらどうなることやら。
春人のことだから怒りはしないだろうけど、また嫉妬をしたり自分を責めたりしちゃうのかな……。
それだったら口が裂けても言えないよ……。
「間違っていたらすみません。もしかして……榊先輩のところに行っていたんですか?」
「!」
「違う」って言ったらまた嘘をつくことになるし、かといって、「そうだ」なんて言えない。
どうしたらいいのかと頭の中でグルグルと悩んでいたら、春人は言った。



