でも、あれは榊先輩のことを思ってたどり着いた結論でもあって、……でも、もしも今、そのせいで榊先輩の様子がおかしいのだとしたら……。

　私、どうすればよかったんだろう。

　友好関係を築いていたって、つらいのは榊先輩なんだし、それだったらいっそ……と昨日はああ言ったけど。

　それとも、私と春人は別れて、榊先輩と付き合えっていうこと？そんなの……無理だよ。


「桃花？大丈夫？顔が真っ青だけど……」

「え？あっ、うん。大丈夫、大丈夫」


　私は京子に変な心配をさせないように、とりあえず笑っておいた。

　それからすぐにチャイムが鳴り、今日１日の高校生活がスタートした。

　榊先輩にもう１度、謝った方がいいのかな？でも、それじゃあ、私が昨日に言ったことがすべて水の泡になるような……。

　榊先輩には申し訳ないけど、無視……するしかないのかなぁ……。

　うう、心が痛い……。


　――そんなことを悩んでいる間に、私の今日１日の学校生活は終わった。


　京子は彼氏と一緒に帰るからと、先に帰っていってしまった。

　私もすぐにでも春人のところへ行こうとしたのだけれど、廊下の奥の方で榊先輩の姿が見え、私は足をとめた。