「朝からおふたりはお熱いですねー!ひゅー!ひゅー!」


 京子の顔を直接は見ていないけど、絶対にニヤニヤしながら言ってからかっているに違いない。

 これだから京子にだけは見られなくなかったのにぃーっ!


「お熱いって、何が?!キッ、キスなんてしてないし!目に入った埃を取ってもらっただけだし!」


 悔しいから反論してみるも……。


「え?だれもキスしたなんて言ってませんけど?キスしたの?」

「えっ?!ちっ、ちちち違っ」

「してないの?じゃあ桃花さんは唇を重ね合って目に入った埃を取るんですねぇ?なんてまぁ、斬新な方法!」

「もう、知らない!」


 京子には勝てない……。

 そう確信した私は、恥ずかしくて再び机に伏せた。


「ごめんって!桃花が面白いから、ちょっといじっちゃっただけだって!」

「いじり、よくない。反対」

「それにしてもさぁ~、」


 なによ!まだ私と春人の関係についてからかってくるつもりかっ?!


「桃花って、変わったよね」

「……え?」


 京子から思いもしなかった一言を言われ、私は一瞬で素に戻った。

 私が、変わった?
 それってどういうこと?


「私たちって、高校になってから知り合った仲じゃん?」

「……うん」