桃の花を溺れるほどに愛してる

「桃花さんは何も悪くないです……。僕が大人気なかっただけなんです」

「そんなこと……。私の方こそ、無頓着だったっていうか……」


 私から身体を離した春人は、ジッと両目を見つめてきた。

 月明かりに照らされている春人の表情は、普段ではあまり見られない真剣そのものといった表情で……。

 私は一瞬、息をするのを忘れる。


「桃花さん」

「なっ……なに?」

「愛しています」


 なっ……。

 何をいきなりっ?!


「えっ……えっ、え……?!」


 いきなり真顔でそんなことを言わないでよ……っ!

 今の春人、とてもかっこいいし、顔に熱が集まっていくのが分かる。

 不思議と春人の目から視線が外せないし、言葉も何も出てこない。


「ですから、お願いです……」

「ひゃわっ?!」


 春人の顔がグッと近付いてきて、私の心拍数は一気に跳ね上がる。

 おまけに変な声まで出てしまったし……なんとも情けないな、私。


「一方的なわがままだとは自覚しているのですが……」


 わわわ……っ!春人の口が、私の耳元に?!吐息……!吐息が耳にっ!

 ちょっとキスされるのかもって身構えちゃった私を殴りたい……。