桃の花を溺れるほどに愛してる

「桃花さんっ。違うんです……ごめんなさい……!」

「え?えっ?」

「僕は……僕は、大人気ないことに、嫉妬してしまっていて……!」


 シット?

 ……嫉妬?


「それどころか、桃花さんを不安にさせて……泣かせてしまって……恋人として、男として、失格だ……!」

「春人……」

「ごめんなさい……!桃花さんのこと、心の底から愛しているのにっ!守りたいのに……僕の身勝手さで傷付けてしまって、ごめんなさいっ!」


 心の底から……あっ、愛してい……あっ、いやいや、今は嬉しくて照れている場合じゃないよねっ!

 えっと、春人は聖くんに嫉妬していたっていうこと……なの?

 思い当たる節といえば、“碧の森”に向かう途中の聖くんの行動と、“碧の森”で談笑している間、私が聖くんとばっかり会話していたこと?

 もしも、そうなら……。


「私の方こそ、ごめん!春人にそんなつらい思いをさせているだなんて思いもしなかった……。本当にごめんなさい……!」

 悪いのは、私の方だ。

 しかし、春人は否定するように顔をブンブンと横に振り、よりいっそう強く、私の身体を抱きしめる。