桃の花を溺れるほどに愛してる

「……ん?」


 これ、いいんじゃないだろうか?

 高音室で高画質、おまけに小型で誰かに見付けにくいという性能なのに、この安い値段!これはいい監視カメラを見付けたなぁ。得した気分。

 盗聴器は……これかなぁ。値段はそこそこする気がするけれど、防水性みたいだし、音質も悪くないみたいだし、ちょうどいい値段なのかな?よし、これにしよう!

 僕は監視カメラと盗聴器を何台も注文した。明日にでも届くらしい。

 あと、桃花さんを見守って支えるにあたって考えないといけないことは……あっ、そうだ。

 玄関の鍵!

 桃花さんの家の玄関の鍵がないと、監視カメラや盗聴器が家に届いても、それを桃花さんの家の中に設置しにいけないなぁ……。

 長い時間、パソコンと向き合って商品を選んでいたからか、今が21時だということにまったく気が付かなかった。いつの間にこんな時間になっていたのだろうか。

 でも、この時間なら返ってちょうどいいかな?みんな、もう家の外へ出ることは無いだろうから。

 僕はさっそく桃花さんの家に向かった。住所については、カルテのところに書いてあるから、それを読んで暗記した。そんなに遠くはないみたいだ。

 桃花さん自身は様子見のためにまだ病院にいるため、家にいるのは桃花さんの両親のみということになる。