桃の花を溺れるほどに愛してる

 いつから、桃花さんは自殺の実行のことを考えていたのだろう?

 「――じゃあ、私も一緒に死んじゃおうかな。――」

 ……まさか。

 まさか、初めて会ったあの日から?それとも、それよりも前から……?

 仮に、あの初めて会った日に自殺の実行をしようとしていたのだとしたら、あの屋上から飛び降りようとしたのなら、そこに僕がいたことは予想外だった?

 僕があの屋上にいたことで、飛び降りれなくなった?あの日だけじゃない。あれから毎日……ずっと……。

 僕が屋上にいないことを見計らって飛び降りようとしていた?

 でも、僕は毎日、屋上にいた。だから桃花さんは自殺の方法を変更して、大量の薬を盗んでそれを飲んだ……?

 僕が毎日屋上にいなければ、こんなことには……違う。そうじゃない。

 桃花さんが僕の悩みを聞いてくれていたように、僕も桃花さんの悩みを聞いてあげられたらよかったんだ……っ!!!

 僕のせいだっ!!!僕が……僕が桃花さんの話をちゃんと聞いていてあげられたら……こんなことにはならなかったのにっ!!!


「桃花さん!お願いです!死なないでくださいっ!」


 桃花さんが僕を救ってくれたように、今度は僕が桃花さんを救ってあげたい!ううん、絶対に救ってみせる……っ!