桃の花を溺れるほどに愛してる

「……は?」

「謝罪する気がないのなら、さっきの男子生徒たちみたいになりたい?死にたい?いっそのこと、私が殺してあげよっか?それで春人に手当てしてくださいって言ったって、もう手遅れだから。テメェら全員、春人を傷付けたんだから。それぐらいの罪を背負わないと、ねぇ?もしかしてテメェら、春人に何をしたのか覚えてないの?バカ?あっ、ごめんごめん。クズだったね。で?謝罪する気はあるの?ないの?どっちなの?言っておくけど、謝罪したのなら一生春人を傷付けないって約束してね。当たり前よね?それでこその謝罪なんだから。上辺だけの謝罪をしたら、どうなるか分かっているわよね?」


 またしてもシンと凍り付く教室。

 やっぱり、桃花さんはクラスメートの生徒たちに一喝をしに、わざわざやって来てくれたんだ……。

 でも、どうして“今日”に……?


「……っめん……さい……」


 桃花さんの圧倒的なオーラに根負けしたのか、シンと凍り付いた教室の中で、だれかがポツリ、口を開いた。


「ぁあ?聴こえないんだけど?」

「ごめんっ、なさい……!」


 謝ったのはクラスメートの中でも比較的に大人しい女子生徒だった。

 それを聴いたかつての元·カノジョは、ギョッと目を見開く。


「ちょっと、なに謝っているのよ……?!謝る必要なんて……!」

「黙れ、クズ」

「っ……」


 しかし、桃花さんの言葉に、口をつぐんだ。