桃の花を溺れるほどに愛してる

 ――【天霧春人さんのトモダチさん。私に会いにここまで来てくださいっ♪】


 ……え?

 ……桃花さん、それは、どういうこと?

 どうして……どうして、そんな……。

 クラスメートが凍り付いたのは一瞬で、次の瞬間、ニヤニヤと口を歪ませるクラスメートの男子たち。


「んだよ、春人の知り合いかよー」

「はやく言えよなぁー、このグズ」

「俺達は春人のトモダチだし、あのカワイコちゃんに会いに行ってやるか!」

「連絡先とか交換してもらおー」


 ぞろぞろと教室を出ていく、クラスメートの男子生徒たち。女子は興味なしといった感じで、もう桃花さんの方に目をやってはいなかった。

 何が目的で僕のトモダチを呼び出したのかは分からないけれど、このままだと桃花さんが危ない……?

 いや、先に呼び出したのは桃花さんの方なんだし、僕があそこに行くのはお門違い……っていうやつ?

 どうしようかと迷っているうちに、クラスメートの男子生徒たちと桃花さんは、もう何やら会話をしているようだった。

 何を話しているのだろう……。桃花さんに1つでも何かあったら、すぐにでも助けに行かないと……!

 ああ、でも、やっぱり今すぐにあそこに向かった方が……っ!