桃の花を溺れるほどに愛してる

 数日後。

 榊先輩から屋上で告白をされてから、すでに数日が経過していた。

 学校から帰ってきた私は、自分のベッドの上に寝転がっていた。

 榊先輩からもらった紅茶のおかげか、夜はぐっすりと眠れている……のだが、相変わらず春人からの連絡は一切ない。

 ……あの時、春人は私があの場面を目撃していたことを知っているはずなのに、最近、会いにも来ないどころか連絡1つないのは、あの綺麗な女性と一緒にいるから?

 確かに、今現在進行形で距離をおいている真っ最中なのかもしれない。春人はその“距離をおく”という約束を守っているのかもしれない。

 でも、アレが誤解だというのなら、誤解だっていうメールの1つくらい、送ってくれたっていいじゃない……?

 それさえ無いのは、やっぱり誤解なんかじゃなくて、本当に……?

 刹那、握り締めていた携帯電話のEメールの着信音が鳴り、慌てて受信ボックスを開いた。

 もしかして、春人からの連絡がきたのかも……?!

 ――しかし、名前のところには“榊 壬”が表示されていた。

 あれっ?なんで榊先輩は私の連絡先を知っているんだっけ?!……って、ああ、ついこの間にお互いの連絡先を交換したんだっけ。

 すっかり忘れていたから、ちょっとビックリして焦っちゃった。