りりん、と、百均で購入できそうな風鈴の清涼な音が、小さなアパートの一室にこだまする。 「風流ですなぁ」 冷えた素麺を啜ってナポレオンはしみじみと言った。 麺茹でてる時は萎びた菜っ葉みたいだったのに、素麺で涼んだおかげか、今のナポレオンは生き生きとしている。 涼やかな彼の横顔を見ながら、あたしは 素麺を食べつつ思ったのだった。 麺……茹ですぎた。