病院につき、私は受付の看護師さんに尋ねた。




「ねぇ、風邪ひいてる人に何すればいいの?」


「え、どうしたの?愛美ちゃん。そんなこと聞いて」


「んーっとね、知り合いが風邪ひいちゃってね。お見舞いに行こうと思うんだけど…」


「なるほど。あ、じゃあ、お粥のつくり方とかメモに書いてくるから、ちょっと待ってて」


「ありがとう」





 仕事で忙しいはずなのに、いつも親切にしてくれる。


 それがたとえ同情だとしても、嬉しいよ―――………





「はい」



 看護師さんはそう言って、裏表ぎっしりと書かれたメモ一枚を渡した。



「うわ…。こんなに」


「詳しく書いといたからね☆」


「助かった。ありがとう」





 二度目の「ありがとう」を言ってから、私は病院をあとにし、学校の近くに建てられているマンションへと向かった。