ラベンダーと星空の約束+α

 


「謝るのは自分の気持ちを軽くしたい為であって、相手の為ではない。

俺が謝ったら、家族は皆悲しい気持ちになる。
だから謝らないよ。

今日も頑張って来てと、言うだけ…」





農作業の合間にあいつの様子を見に行った俺に、そんな風に言ってたっけ…



一人で家ん中に居る時、あいつは大体書斎に居た。



小説を書いたり本を読んだりして、一人の時間を過ごしていた。



かつての紫の部屋で、今は書斎になっている、2階の北側の窓からは、ファーム月岡の駐車場と店舗が見える。



これは俺の勝手な想像だが、きっとその窓から店の中で働く紫の姿を見てたんじゃねぇかな…



三年前のあの日の紫は、妊娠8ヶ月でデカイ腹をしていた。



「全然大変じゃないよ?
普通に働けるし大丈夫。

それ私がやるから、手伝わなくていいよ。

他の事やって?」




重てぇ腹した紫をいくら周りが心配したって、あいつはそんな事言って、いつも通りの仕事量をこなすんだ。




あの日、太陽が西に僅かに角度を下げた頃、そんな紫が店から外に出て来た。



流星はそれを書斎の窓から見ていたと思う。



紫が店の外に出てきた理由は、駐車場横に設置してある、自動販売機横のゴミ箱を片付ける為だった。



昼時を過ぎれば店内も落ち着いて、一杯になって気になっていたゴミ箱を、紫は片付けようとしてたんだ。



空き缶や空き瓶の入ったあのゴミ箱は、見た目より重てぇ。



飲み切ってないペットボトルのジュースや、たまに観光雑誌とか壊れた傘とか、飲み物と関係ねぇゴミまで捨ててあるから、

一杯になったその重量は、7〜8キロはあんじゃねぇかな。



それを倉庫裏まで、持って行かなきゃならねぇ。



倉庫裏に持って行った後は、中身を分別しながら業務用のバカでかいゴミ入れに移すんだ。



そんでホースの水でざっと洗い流し、綺麗にしてから元の位置に戻す。



結構な仕事量だろ?

身重の紫にはやらせたくねぇと、俺なら思う。



そんなの誰がやったっていいわけだし、アルバイトにでもやらせばいいのによ、

紫はいつも通り、何でもかんでも自分がやろうとするんだ。