さっき夕食の席で覚えたばかりの子どもたちの名前を挙げると、ヘレンはすごいすごいと喜んだ。
そんなヘレンに、ティアナは思い切って尋ねてみる。
「わたしはあなたに秘密を教えたわ。ヘレン、今度はあなたの番。あなたは自分に秘密があるって言わなかった?」
「うん。でも、妖精さんからしたらたいしたことないかも」
ヘレンは無邪気に笑いながら、ティアナの耳元で囁くように打ち明ける。
「わたしね、前は魔法が使えたの」
「え……?」
ティアナは目を瞬かせる。コレンタの国では魔法を使えることのほうが当たり前だけれど、リオランドでは使える人のほうが珍しかったはずだ。
そしてその力を使える者は王宮へと連行される。
「どうして今は使えないの?」
ティアナは妖精らしく、人間の事情は何も知らないふりをしてそう尋ねた。
「リュイばあが使ったらだめだって言うの。他の人に見つかったら、大変なことになるって。他の子たちにももちろん内緒なのよ」
リュイばあというのは、この小屋に来たときに言っていたおばあさんのことだ。
確か部屋で眠っていると言っていたが、夕食のときになっても姿を現さなかった。



