籠の中のプリンセス ~呪われた指輪と麗しの薬師~



「なんて小さい! あなた妖精なの?」


ヘレンの言葉に、ティアナは一瞬固まったが、咄嗟に頷いた。


この場は妖精でやり過ごしたほうが、人間だと説明するよりややこしいことにならないで済みそうだ。


「そうよ。わたしはここの森に棲んでる妖精なの。でもね、ヘレンがわたしのことみんなに話したら、消えてしまうわ。お願い、話さないでいてくれる?」


ティアナが懇願すると、ヘレンはにこにこしながら大きく頷いた。


「もちろん! だってわたしも仲間だもん」


「仲間? ヘレンも妖精なの?」


「妖精じゃないけど。秘密っていうの、仲間」


ヘレンは嬉しそうに手を握りしめて自分の頬に押し当てる。


「ねえ、絶対誰にも言わないから、あとで2人でお話ししようよ。わたしあなたとお友達になりたいの。だめかなあ」


「……」


ティアナは少し考え込んだ。

このまま姿を消して、ヘレンと関わらないようにするのが一番だが、ヘレンの言う秘密というのも気になる。


しばらく考えたあと、わくわくしながら返事を待っているヘレンに、にこっと笑ってみせた。


「いいわよ。今日の夜、皆が眠ってしまったらあなたのところへ行くわ」


「本当? 約束だからね!」