「ティアナ? いつその姿に戻れたんだ」
「ついさっき。よくわからないけど戻ったわ」
「へえ。思っていたより綺麗だ」
ティアナに触れようとしたアベルの手をマルセルが掴んだ。
「騒ぎに気づかれないうちにここを出よう。それにこうなった以上、パフィをここから連れ出さないと」
そう言って、アベルの後ろで3人を傍観していたディオンのほうへ目をやる。
ディオンは無言でマルセルを見返すと、すぐに顔を背けた。
「そうね。きっと一人で心細い思いをしているかもしれないわ」
ティアナは言葉を交わそうとしないマルセルとディオンを交互に見たあと、廊下の先に目をやった。
パフィがいるのも城の地下だった。
この先を行けば、パフィの部屋にたどり着けるのかもしれない。
そう思いながら、この2人をどうしたものかと思い巡らせていると、廊下の先に人の姿を見つけて目を見開く。



