ヤマアラシと白ウサギ

僕は外に飛び出した。

森のどこへ行っても、ウサギの食べられそうなものが見つからない。

澄んだ空気のてっぺんで、白い月がゆらりと揺れた。

神様、神様、そこにいますか?

どうか、僕の願いを叶えてください。

涙が幾粒もこぼれて、うっすらと足元に積もった雪を溶かしていった。