ひとしきり寒さが厳しい夜。

ぼんやりと見上げた紺色の空から、チラリ、チラリ、と白いモノが降ってきた。

ふわふわで儚く、真っ白な雪。

ふいに胸がざわついた。

僕は心を空にして、巣穴の奥へと身を寄せる。

今は見たくなかった。

君を思い起こしてしまうものは、この世から抹消してしまいたかった。

だけど、今思えばすべてが必然だったんだ。

そうだといってよ、ねぇ神様?