ようこそゲストさん
「「お疲れ様でした!」」
サッカー部の終わりの挨拶が聞こえる。
「やばっ。」
私は、バレないようにコソコソと逃げる。
バレたらどうなることやら。
「なんでこんなところに女子が?」
背中の方から、声が聞こえた。
「先輩…!?」
一番、バレたくない人にバレた。
「あ、いやこれは…」
「あー、もしかして梶原?」
そう言って、先輩は梶原を見つめる。
梶原は、私の学年の王子様。
爽やかでカッコよくて、文武両道で。
先輩は梶原目当てだと勘違いしている。
「いや、ちが」
「梶原、呼んできてあげようか?」
「おーい、梶…」
「私は!」
先輩は驚いた顔でこちらを見る。
「梶原じゃなくてっ!その……」
「先輩が……好きなんです!」
先輩は、私の髪をクシャ…と触る。
「……あー、そっか。」
その顔は、とても赤くて。
「…いや、ごめん。勘違いしてた。」
先輩は、軽く頷いて
「これからも俺だけ見てくれる?」