ケータイ小説 野いちご

🩸狂い切ったヴァンパイア🩸

「え?僕は、前からひゆのこと好きだったのに?」

「ええっ……!?た、たしかに、私も、ずっと忘れてなかったよ……?でも、付き合うのは、本当にちゃんと好きな人がいいと思う」

というか、なぜこんな急な展開にっ……!?

とりあえず、“ちゃんと好きな人”じゃないとだめという言葉で誤魔化しているけれど、本当に頭が追いついていかない。

「だから、本当に好きなの」

「で、でも、わ、私は、れ、恋愛感情としては、好きじゃないんだよ……?」

確かに、玲くんのことは嫌いじゃないし、むしろ、好きな方、だと思う……。

「えっ……わかんない。恋愛感情、僕はあるんだよ……?だから、付き合おうね」

「ええっ!?き、聞いてっ……!!」

全くとして私の話の意味を飲み込んでくれない玲くん。

「ん?この噛み跡が、僕のお嫁さんって印」

「へっ?」

か、噛み跡……?

噛み跡、なんてっ……!

急にそんなこと言われて、本当に本当に頭がついていけない。

すると、私、急にギュッと抱きしめられて、チュッと首筋の下の方にキスされた。

「ひゃぁっ……!」

「……ほぉら。浮き出てきたね」

「へっ?」

見てみると、いかに吸血鬼が噛んだに等しい噛み跡がついていた。

「これ、僕たち吸血鬼でいう、“婚約印”だから」

「へっ!?」

「それに、僕はひゆの血しか吸ってないからね」

そう言って、私についている噛み跡を綺麗な人差し指で触ったれーちゃん。

そして、れーちゃんは、少し照れた顔をして目を逸らしている。

「れ、れーちゃん……」

薄い灰色の髪の毛に、ラピスラズリのような色をした綺麗な瞳。
顔は驚くほど小さくて、小さい頃のれーちゃんに対して、顔つきが大人っぽくなっていた。
だけれど、男の子にしてはとても可愛らしい顔つきだ。

「へっ!?血、私しか、吸ってないっ……!?」

い、いま、さりげなく衝撃の一言が聞こえたけど……?

「うん、その、最近っていうか、僕が生まれる前に、吸血鬼専用の薬があって、しばらくそれを飲んでたんだけど、ひゆと会った時は、本当にヤバくて……」

「そ、そっか……」

「ふふっ、でも、ひゆに惚れてからは、もうその薬だけ。」

「ほ、本当?」

「ふふっ、そうだよ」

可愛くそう言ったれーちゃん。


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