「尚ちゃんと居るとサングラスを外しても何とかなりそうだよ。ありがとうね」


そう言うと立ち上がってご飯を食べに行こうと言った。


僕は、途中で灰皿に煙草を入れると二人で通りを歩いた。


僕も彼女もサングラスを外していた。


彼女は、歩きながら軽く僕の頬にキスをしてきた。

二人で歩いていると今時の髪型をした背の高い若い男が彼女に声を掛けて来た。


その瞬間彼女は、男に向かって得意の英語でまくし立てた。


男は、驚いて逃げるようにその場を去った。


「なんて言ったの?」


僕が聞くと彼女は、下品すぎて言えないと笑いながら僕の肩に軽くパンチを入れた。


本当に久しぶりに五月の風が心地よく感じた。


彼女が一緒に居たからだった。


僕に取っても彼女は、支えだったのだ。


美しく聡明で優しい彼女が…