「あ、そうだ渉。これ返すね」


あたしはネックレスにしていたお守りを外して渉に渡した。


「持ってればいいだろ?」


「ううん。一応は解決したし、今度はちゃんと自分で買いに行こうと思って」


あの神社にもお世話になった。


今度はきちんとお参りに行くつもりだった。


「そうか。じゃぁ、次の休みに一緒に行くか?」


「いいの?」


「もちろん。それで、ついでに遊びにでも行くか」


何気なく言ったその一言にあたしは自分の頬が赤く染まるのを感じた。


デートってことだろうか?


聞きたいけれど、聞くのが恥ずかしくて俯いた。


渉はあたしが返したお守りを大切そうに鞄にしまったのだった。