「愛子、手伝って」


「うん」


愛子は新聞を半分受け取ると広いテーブルに広げた。


あたしも愛子と向かい合うようにして記事を調べる。


「自殺ってさ、おくやみ欄に乗るの?」


「さぁ? たぶん、乗るんじゃないかな? でも、彰が言っていたように奇妙な死に方だったとしたらもっと別の欄に乗ってるかもしれないし……」


遺族から載せないでほしいと言われているかもしれない。


最後の考えは口には出さなかった。


これだけの量を調べる前に、可能性を消してしまいたくはなかったから。


それからあたしたちは日が暮れるまで図書館で調べものを続けたのだった。