その顔のあちこちには小さな傷が沢山できていて、見ていることが辛くなってくる。


布団や器具で隠された部分にはもっとひどい傷があるんだろう。


「あの……准一はどうして隣街なんかに?」


そう聞いたのは理子だった。


みんな、ずっと気になっていたことだった。


「それがあの子……隣町にガールフレンドができたみたいなの」


准一のお母さんはそう言い、恥ずかしそうにうつむいた。


「ガールフレンド?」


あたしは思わず聞き返していた。


准一にそんな子ができたなんて、聞いたことは1度もなかった。


メンバーを見回してみても、みんな何も知らない様子だ。


「そうなの。それがスマホのサイトとかを使って知り合った子みたいで、だから誰にも相談することなく、昨日1人で会いに行ったみたいなのよ」


出会い系。


そんな言葉が浮かんでくる。


准一がそんなサイトに登録していたなんて、驚いて声も出ない。