受付で教えてもらった病室へ行くと、そこにはちゃんと彰の名前が書かれていた。


渉が一歩前に出てドアをノックする。


中から「はい」と、くぐもった声が聞こえて来た。


間違いない、これは彰の声だ。


「彰、俺、渉だ。他のみんなもいる。入っていいか?」


「あぁ。いいよ」


その返事を聞いてから渉はドアを開けた。


白い天井に白い床。


なにもかもが白い部屋だ。


そのベッドの上に寝ている彰がいた。


彰の顔は赤く、ひと目で熱が出ていることがわかった。


頭の下には氷枕が置かれている。