ケータイ小説 野いちご

「気持ち悪いけど、考えてどうにかなることでもないな」


ため息交じりにそう言ったのは渉だった。


渉も顔色が悪いけれど、叫んでいる准一を見て少し楽しそうに笑った。


「カラオケに来てるんだ。ストレス発散しようか」


翔太がそう言い、曲を入れ始める。


こんな時にカラオケ!?


そう思ったが、こんな時だからこそどこかで発散するべきなのかもしれない。


「和夫のために歌いまぁす!!」


准一が叫ぶ。


生前の和夫がしていたようにふざけて走り回り、バカな冗談を言いながらあたしたちは歌った。


その間、写真の中の和夫にずっと見られているような気がしていたのだった。

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