ケータイ小説 野いちご

なにより、仲間8人でここに来たと言う事がみんなの気持ちを大きくさせていた。


「やっぱり、眺めは最高だな!!」


そう言ったのは植松和夫(ウエマツ カズオ)だった。


この場所で記念写真を撮ろうと提案してきた友人だ。


数日前偶然ここを見つけて以来、みんなで来て見たいと思っていたそうだ。


偶然にしてもどうしてこんな場所を見つけたのかと聞いてみると、和夫は真剣な表情でエロ本を探していたと言っていた。


和夫は8人の中でも一番背が低く、おまけに童顔だ。


16歳になってもまだエロ本を購入することができずにいたのだ。


「いいか? エロ本っていうのは山道とか、人が来ない池なんかによく落ちてるんだ」


一体いつ頃からエロ本探しをしているのか知らないが、そんな事を真剣に語られた。


「よし、タイマーセットしたぞ」


そう言ったのはスマホ用の三脚を用意してきてくれた立川准一(タチカワ ジュンイチ)だ。


准一はヒョロリと固い背を丸めてスマホをセットすると、あたしたちの輪に入って来た。


「はい、チーズ!」


そんな掛け声を女子たちで言い、あたしたちは入学記念の写真を撮影したのだった。

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